あなたは、「ニューロダイバーシティ」という言葉を聞いたことはありますか?
「ニューロダイバーシティ」とは、教育や障害の分野におけるアプローチの一つで、発達障害は病気や欠陥でなく、【人間の脳の神経伝達経路の多様性】という考え方です。
プログラミングと発達障害
最近、障害者のための「就労移行支援事業所」では、プログラミングなどを教えるところが増えています。特に発達障害者のための施設ではプログラミングコースやITをメインに指導するところが人気で、全国的に増加傾向にあるのですが、その一つの理由は、障害特性にあります。
発達障害の方の特性はいろいろありますが、一つのことの集中することができる人とプログラミングという作業との相性は一般的に良いと言えそうです。またプログラミングを覚えて仕事ができるようになれば在宅ワークもできますのでコミュニケーションが苦手な方にとって都合の良い側面もあるかもしれませんね。
ニューロダイバーシティとプログラミング
近年、この考え方が注目され始め、海外の先進企業では発達障害者の採用が増えています。シリコンバレーの有名企業が次々とIT人材として発達障害者に注目して、採用を強化したことで、「ニューロダイバーシティ」の考え方が一気に広まりました。
日本でも、大企業の一部では社内外への啓発活動を始めているところがあり、これからの就労人口を支える人材として、注目されています。
日本での発達障害者へのIT教育
日本では、主に「就労移行支援事業所」と言われるところが発達障害者の方々にプログラミングを教えるカリキュラムを組み、提供しているようですが、場所によっては自習がメインで、わからないところだけを聞く…なんていうところもあるようです。
福祉とIT関係者がガッチリ手を組んで彼らにプログラミングを教えることができれば、日本のIT業界はもっと良くなるかもしれません。
しかし、日本の考え方として、「福祉はお金儲けをしてはいけない」といったことが根強くあるためか、福祉とITの連携はまだまだ弱く、福祉職がプログラミングを覚えて、それを伝えるというところが多くあるようです。
日本は「ニューロダイバーシティ」をしっかり取り入れるべき理由
日本と海外の差は、「障害自体の捉え方の違い」と言えます。その根底から考え方を変えることができれば、日本のIT業界はもっと良い方向へ変わる可能性は十分に考えられます。それだけでなくITと福祉が連携がより強固なものとなれば福祉も良くなっていくでしょう。それはとても広い視野で見れば日本を良くしていくことに繋がっていくかもしれませんね。

この記事を書いた人
父、母、弟、妹、叔母、祖父、曾祖父、妻…、と家族・親族に教員がたくさんいて、自分自身も公立学校の教員免許を所持しているちょっと変わった経歴を持っているエンジニアです。三重県四日市市を拠点に、自分たちの子供の世代のためにできること、すなわち「教育」を起点に何かしら社会のプラスになることにチャレンジしていきたいと考えています。また、Thinker!の開発や情報発信も担当しています。