前回に引き続いて、子どもが入院してしまった時に使えるICT教育を紹介していきたいと思います。
今回は、いろいろな性格をもった子どもの中には、ICT教育に積極的ではない子どもも当然いると予想して、長期入院しているICT教育に消極的な子どもとICTはどう付き合っていけばいいのかも考えていきます。
入院時のICT教育
③リアルタイムの遠隔授業参加
タブレットとモバイルWi-Fiルーターを使って、入院時でありながら学校にいるような臨場感をもって子どもに遠隔授業に参加してもらう。授業は、通常の教師が教え生徒が学ぶ受講型の授業はもちろん、ディベートなどの討論や理科の実験や植物の観察、社会科の校外学習などもできる。
特に植物の観察や校外学習などの体験型の授業は、子どもが、病室での植物の接触の禁止や、感染症対策などの理由から外出の制限を受けている場合があることから喜ばれる。
残る1つでは、これまでとは違った例を見ていきましょう。
④ICT教育に消極的な子どもの授業参加
元々内向的な性格の子どもの場合には、長期入院によって、ICT(例えばタブレットなど)で授業に参加することに一層消極的になっている場合がある。そのような場合には子どもの声を柔軟に聞き、どのような条件であれば、授業に参加できるかを検討していく必要がある。
例えば、最初は子ども本人の希望を叶え、学校のクラスメイトや教師側からは子どもが見えないように授業を見学してもらう、音声だけ、チャットだけで参加する、など。
そのような子どもを見ると、最初親は心配するかもしれない。だが、授業の中で自分(子ども)の話題が出ていたことや、子どもが育てていたミニトマトをクラスメイトが代わりに育てていてくれた様子を見て、子どもが画面越しに嬉しそうにお礼を言っていた、チャットでは子どもとコミュニケーションが取れるようになったなど、状況は変わっていく可能性がある。
ICT活用により変化する教育
人は全く想定していなかった事態には、対処がなかなかできません。それに子どもに何かあったらなどとは、親にとってみたら夢にも見たくないものかもしれません。ですが、そのような事態が起きたらと考えて具体的な対処方法を考え、下調べをしておくことは、いざ子どもが入院となった時に、あるいは自分や家族、友人などがそうなった時、無駄にはならないでしょう。入院に対する想像や予想は、それらを「重症化」させないために有効なのではないでしょうか。

この記事を書いた人
父、母、弟、妹、叔母、祖父、曾祖父、妻…、と家族・親族に教員がたくさんいて、自分自身も公立学校の教員免許を所持しているちょっと変わった経歴を持っているエンジニアです。三重県四日市市を拠点に、自分たちの子供の世代のためにできること、すなわち「教育」を起点に何かしら社会のプラスになることにチャレンジしていきたいと考えています。また、Thinker!の開発や情報発信も担当しています。