短期化しつつある子どもの入院期間
最近の医療技術であれば、子どもが病気やけがなどで入院したとしても、その期間自体は十年前に比べ、だいぶ短期間ですみつつあるようです。
とはいえ、小児がんのように放射能や手術、抗がん剤を用いた療法などの必要性から長期間の入院が必要になる場合や、立ち上がり時の血圧の低下や心拍数の上昇が見られる起立性調整障がいなど、医療機関への繰り返しの受診や短期間の入退院が必要になる場合もあります。
うちの子が入院?!その時、勉強は・・・
また現在のように感染症などの病気が流行している時、あるいは子どものクラスメイトや近所の子どもなど身近な存在が病気や障がいになったのを見た時、もしも自分の子どもがそうなったら、その時に入院でもしたらと考えることはありませんか?
普段はあまり考えないかもしれませんが、一度気になりだすと、悩みの種になってしまいそうな、子どもが病気で入院をしてしまった場合、その中でも病気そのものが落ち着いた時や長期入院を余儀なくされた場合を考えてみましょう。子どもの病気が無事に快復、あるいは安定期に入ってくれたのは何よりですが、それらに伴って、親にはある一抹の不安がよぎるのではないでしょうか。そう、子どもが学校に戻った時や学校にまだ戻れないことからくる勉強の遅れが気がかりになるのではないでしょうか。
今回は、そのような入院や学校からの長期離脱時に活用できるICT教育を紹介したいと思います。
①タブレットを使ってプリントやクラスの声を届ける
子どもが在籍する学校の授業で実際に使っている学習プリントやクラスのみんなからのメッセージをタブレットに取り入れ、入院中も子どもに無理のない範囲で学校と同じような進度で学習を継続してもらう。
②ロボットを通して授業に参加
入院中などで通学できない子どもの代わりに、分身ロボットの「オリヒメ」を病院などから遠隔操作し子どもに授業へ参加してもらう。オリヒメはタブレットで操作ができ、挙手や、頷くなどの動作ができ、ロボットからの視界や聞く、話すなどの音声面も良好だという。
なお、鳥取県米子市の学校では、子どもの理解度を教師側が把握できたことで、ロボットでの授業参加を「出席」扱いにしている(これまでは理解度が把握できなかったため、「欠席」扱いだった)。
学校に提案するという道もある?
いかがでしたか。
二つ目のロボットの例(かつ出席扱いになる)などは、これまで紹介してきた様々なICT教育よりも更に進んだ例に思えたのではないでしょうか。
仮に子どもが入院したとしても、このような例があると知っていれば、心強いでしょうし、学校側にまだそのような設備や構想がなかったとしても、例を知っていればこちら側から提案し、学校を変えていくことも可能かもしれませんよ。

この記事を書いた人
父、母、弟、妹、叔母、祖父、曾祖父、妻…、と家族・親族に教員がたくさんいて、自分自身も公立学校の教員免許を所持しているちょっと変わった経歴を持っているエンジニアです。三重県四日市市を拠点に、自分たちの子供の世代のためにできること、すなわち「教育」を起点に何かしら社会のプラスになることにチャレンジしていきたいと考えています。また、Thinker!の開発や情報発信も担当しています。