小学校での進められる英語教育に高まる期待と疑問視する声
2020年度から、小学校3・4年生を対象に年間35コマ(週1から2コマ)からなる「外国語活動」が導入されることになっています(これまでこの活動は、小学校5年生からが対象でした)。この「外国語活動」では、生徒が英語に興味を持ったり、英語の学習は楽しいと思うような内容を目指しているようです(2017「小学校学習指導要領」)。
子どもを見守る保護者からは、子どもが幼い頃から英語に触れれば発音がきれいになるなどの期待が高まっている一方で、本当に英語を話せるようになるのか、自分たちも学習したのに話せないじゃないかといった疑問・問題視する声も目立ちます。
日本で英語を勉強する時の大変さ
確かに日本で生活をしていると、英語は日常的にはほとんど使われず、英語を学習する理由と言えば、学校の授業やテストで使うから、旅行に行った時に最低限は必要だからといったものです。このような「英語学習=必要悪」と考える環境では、せっかく子どもたちが英語を習ったとしても、定着せずにいずれ忘れてしまうのではないでしょうか。
自分と英語をつなげる
英語を効果的に学習するためには動機付けが重要です。すなわち、明確な目的意識を持つことです。具体的には、英語が自分の成長とどう関係するか、英語を使うことで快適に感じることがあるか、英語を使って何がしたいのかなどです。別の言い方をすれば、自分のメリットと英語学習を繋げて考えられる必要があるのです。
ICTによる国際交流活動が有効
子どもがそのように考えられるようになる、明確な目的意識を持つのを助けるためにはICTを用いた国際交流活動などが有効です。
例えば、その活動では、Skypeを通した対面英会話やタブレットパソコン・電子黒板を利用して海外との交流学習やディスカッションができます。それらを活用することで、どちらかが一方的に学習に活用するだけではなく、お互いを高め合う協働教育をする機会を作ることができます。
また通常では、費用や時間、年齢、選考基準がネックになりやすい留学を、ICTによって疑似体験をするのも可能になります。動画による授業見学や現地のクラスメイトと共に学校での生活を1日バーチャルで体験すること、そしてもちろんチャットやテレビ電話などを用いて、疑似留学で生じた疑問を尋ねることもできるなど、その使い方は多様です。
子どもを通して自分も学べる
自分たちが通ってこなかった道を自分の子どもが通ることに不安を感じることはあるでしょう。かわいい子どもだからこそ、失敗させたくない、自分が何とかしてやらねば、そう思う気持ちもあるかもしれません。
しかし、新しいことを始める時には常に不安が付きまとうものです。子どもの学習に付き合いながら、自分が学べることもあるのではと振り返ってみることが自分自身の成長にも繋がるかもしれません。

この記事を書いた人
父、母、弟、妹、叔母、祖父、曾祖父、妻…、と家族・親族に教員がたくさんいて、自分自身も公立学校の教員免許を所持しているちょっと変わった経歴を持っているエンジニアです。三重県四日市市を拠点に、自分たちの子供の世代のためにできること、すなわち「教育」を起点に何かしら社会のプラスになることにチャレンジしていきたいと考えています。また、Thinker!の開発や情報発信も担当しています。