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新しい学びの形 9月入学・始業②

2020/07/16

 9月に入学・始業時期をずらすことがこんなにも議論を呼んでいるのはなぜなのかを前回は変更によるメリット・デメリットを紹介しました。今回は当事者がその変更をどのように受け止めているのかを授業のテーマとして話し合ったという中学生の声から紹介し、議論のわけを考え、この話をまとめましょう。

 

9月入学に対する、ある当事者の声

 

 さいたま市の七里中学校では社会科の授業の中で9月入学に対する記事を読み、賛否それぞれの意見が出ました。生徒65名のうち、賛成は29人で反対は31人、残りの5人がその他という結果でした。

 賛成派からは、休講再開後の授業進行の早さやオンライン授業ではコミュニケーションが取りにくかったことなどから勉強の遅れが気になっていて、9月入学になることで、その遅れが解消されることに期待があるという意見が出ました。

 反対派からはグローバル化が目的ならば、入学時期を変えるだけでは不十分で、むしろオンライン教育の充実を望む声や、今はよくても今後にしわ寄せがくるのなら、無理に変える必要はないと将来を心配する声があがりました。

 その他の意見には、今はコロナ対策に国の財源を充てるべきで、この導入が負担になってしまうのではと心配する声があがりました。

 入学・始業時期変更の影響を最も強く受ける子どもを抜きにし、「大人だけで議論を進めるものはいかがなものか」という同中学校の生徒の意見でこの記事は締めくくられています。

 

教育の基本は当事者の声を聴くこと

 

 コロナが流行した時期に生じた学習進度の遅れに対する打開策として9月入学を検討するのであれば、実施の対象となるその学生が思い描いている将来設計や不可避に受ける影響に最大限の配慮をすべきではないでしょうか。それは実施上の予算の問題や対象とする学年の範囲といった政治家の構想以上に優先されるべきではないかと思います。それは難しい課題や理想論だと言われてしまうかもしれませんが、それこそがまさに新聞記事の締めくくりの言葉として選定された子どもが影響を受ける決定を大人だけでしないでほしいという声であり、当事者の声を聴くことではないでしょうか。子どもが持っている要望に耳を傾ける、それこそが教育の基本であり、それ以上ではないと筆者は思うのです。

 
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