これまでのオンライン教育に関する記事では、主に小・中学、高校を取り上げてきました。今回からはこれまで本記事では触れてこなかった、大学におけるオンライン教育、特にオンラインによる授業の現状を、オンライン授業の形式を理解した上で有利な点と不利な点から紹介します。そのような紹介を通して、7月末から8月の始め(いわゆる前期)まで実施する大学が少なくないオンライン授業の実態把握や現状改善に少しでも貢献できたらと思います。
大学でのオンライン授業の現状
オンライン授業の形式
オンライン授業の形式は、大学においても、これまで紹介した形式と大きく変わらず、時間に縛られず出された課題に答えるオンデマンド型かリアルタイムで授業を実施し、対面授業に近い形式のライブ配信型(同時双方向型)が主です。
授業を左右する、大学教員に特有の気質の差がある??
オンライン授業の形式そのものに大きな差がないとすれば、大学と小・中学、高校には差がないのでしょうか。「教育に対する要綱」という面から考えてみましょう。
これまで紹介してきた小・中学、高校に比べ、大学では一律化された教育指導要領なるものはなく、科目名(講義名)こそ決まっているものの、基本的に何を教えるのかという大まかな枠組み以外は教員の知識や得意分野、経験に委ねられていることが多いです。すなわち、決められたコマ数の中で何を教えるかは担当教員が決定するというやり方が主流と言えるでしょう。
そのような背景もあってか、大学の教員の方が授業に対する自律性を持つのを許されており、授業に対する教員のモチベーションが高かったり、対応が柔軟である可能性がある一方で、逆に保守的でこれまでの授業の形式を変えるのを嫌う可能性もあります。要領などの教員に課せられる縛りが少ない分、個別化しやすい傾向があると言えるのではないでしょうか。
次回も引き続き、大学におけるオンライン授業の現状の把握に努めていきましょう。

この記事を書いた人
父、母、弟、妹、叔母、祖父、曾祖父、妻…、と家族・親族に教員がたくさんいて、自分自身も公立学校の教員免許を所持しているちょっと変わった経歴を持っているエンジニアです。三重県四日市市を拠点に、自分たちの子供の世代のためにできること、すなわち「教育」を起点に何かしら社会のプラスになることにチャレンジしていきたいと考えています。また、Thinker!の開発や情報発信も担当しています。