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コロナ下、オンライン教育が必要な理由③

2020/06/27

 今回も前回、前々回に引き続き、オンライン教育が今後も必要となる理由に焦点を当てていきましょう。今回は教育格差の状況下にある当事者の声を具体的に拾った上で、状況改善のためには何が必要なのかを見てきます。

 

教育格差を表す声

 

 前回の記事の末尾で「丸投げ」の状況と書いたのは、中学生3年生の通う市立中学校(東京都)が2ヶ月半の長期休学の際にとった措置が、新年度に使う予定の教科書、多数のプリントやドリルを渡したのみだったことを意味してのことでした。

 シングルで子育てをしている母親によれば、それらが渡された後は、担任の教員からの進め方の指示などは特になく、その後の勉強状況や生活態度などを電話で確認するような措置もなかったと言います。普段、母親はパートで収入を得ていますが、コロナの影響を受けその収入も減ったことから、塾やその他のオンライン授業の費用に充てることも難しかったと言います。

 更に母親には特別支援学校に通学する9歳の次子もいて、高校受験を控えていることを心配しながらも長子に十分に注意を向ける余裕がなかったようです。

 高校受験を前にした不安の声は、子ども(受験生)の方からも当然聞こえてきます。市立中学(神戸市)に在学の中学3年生は自営業を営む両親の収入が減少し、友人はみんな通っている塾に自分だけが通えていないことに不安を隠せません。母親は市からの教育援助の申請はしたものの、学習塾に申し込むほどの余裕はないと言います。

 

2つの格差から見えてきた課題

 

 上記のような状況から見えてくるのは、教材を渡し、家庭学集を促すだけの措置では不十分で、教材を進めていくにしても1日の進度計画や実際に教材を使って学習した手応えやその際の困りごとの相談など、その後のフォローが必要だということです。

 2つの話に共通するのは子どもが学習塾(オンライン学習を含む)に通うことの経済的困難でした。経済的困難そのものを解消するのは政府の給付金による充足などの課題であるにしても、そこから浮かび上がる学習上の困難とは、一人きりで長時間の勉強や大量の課題に向き合うことの限界でした。言い方を変えれば、(進度などの学習の前段階は学校によって示されるべきですが)できない過程も含めて話し合え、共有できるような学習仲間(常時のクラスメイトなど)とつながる必要性ではないでしょうか。

 

オンライン教育でできることとオンライン教育の必要性

 

 オンライン教育を受けられるだけの環境を整えるという課題はあるにしても、オンライン教育であれば、グループ学習の機能を使って上記のような学習者同士のつながりを作ることは可能ですし、また回線をつないだままにすれば学習者同士の雑談ももちろんできます。

 以上が、オンライン教育が教育格差を広げる要因となりながらも、環境が整えられれば、格差を埋め得る要因となる理由で、ひいてはオンライン教育がこれからも必要と言える理由です。

 

 

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